2019年も残すところあと少しというなか、今年2番目の規模となる大注目の上場がありました。果たしてどんな初値がつき、その時の投資家の反応は。取材しました。
クラウド会計ソフトなどの開発を手掛ける会社「freee」のオフィスです。筋トレ用具やゆったりとくつろぐスペースなど、とても自由な雰囲気が漂っています。ただ、今回、注目したいのはオフィスではなく、このfreeeが17日、東証マザーズへ上場を果たすという点です。今年2番目の規模となる大型上場です。
freeeの会計ソフトは、自動で帳簿がつけられるのが大きなメリットです。クレジットカードの使用情報などがソフト上で同期され、AI(人工知能)が勘定科目を判断。データを入力する手間が省けます。他にも請求書や確定申告書の作成なども手軽にできるため、フリーランスや中小企業の間でシェアが広がっています。上場を翌日に控えた16日、freeeの佐々木大輔CEO(最高経営責任者)に心境を聞きました。
freee・佐々木大輔CEO:「(Q.今の気持ちは?)今までが物語の序章みたいな感じだったら、これからが第1章かな。ここから本番かな」
ただ、投資家の間でささやかれている不安が赤字です。売り上げは順調に増加しているものの、今年6月期の決算でも30億円近い営業損失があり、赤字が続いている状態です。
freee・佐々木大輔CEO:「基本的には最初に顧客獲得のためのコスト。それが一度、お客様に使って頂き、サービスを提供して満足でいてもらえれば、今度は逆に毎月の利用料を、価値を提供し続ければ頂けるモデル。顧客の獲得をして成長している局面において期間損益は赤字になりやすい」
そして、迎えた上場当日。売り出し価格2000円に対し、付いた価格は・・・。当事者であるfreee同様、上場初日の株価を気にしていたのが、この人です。
投資家:「(Q.freeeの株は何株?)100株」
freeeの株を購入した投資家です。
投資家:「あ、出てますね。初値は2500円ですね。良かったですね。これはかなり良いんじゃないですかね」
あらかじめ売りに出していた、投資家のたかっちさんはこの一瞬で5万円ほどの利益を手にしました。ただ、インタビュー中に思わぬ事態に・・・。
投資家:「今どうですか、下がって・・・。あ、すごい上がってますね!こりゃ売らなきゃよかった。今、2662円ですね」
初値は売り出し価格2000円を上回る2500円。この時点での時価総額は1000億円を超えました。今回の調達資金で営業マーケティングや、さらなるソフト開発へ投資するというfreee。今まさに変化を遂げている“働き方の未来”を見据えています。
freee・佐々木大輔CEO:「自分の得意なエリア、何かスキルがあったり何かにパッション・アイディアがあったり、こういったことさえやっていれば、周りの経営に必要なことは自動でAIが助けてくれる。こういうような世の中にしていくことで、もっと“個が強くなる社会”が作れる。
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